ボクシングの世界スーパーバンタム級タイトルマッチ(3日、東京・有明アリーナ)に臨む4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)と挑戦者のWBO同級2位TJ・ドヘニー(37=アイルランド)が試合の当日計量を行った。井上は前日から7・4キロ増の62・7キロ。ドヘニーは11・0キロ増の66・1キロで、両者の体重差は3・4キロだった。ドヘニーは試合当日の〝巨大化〟で知られており、過去には12キロ以上を増量したこともある。
ドヘニーの劇的な増量背景
ドヘニーは試合の前日に行われた計量で55.1kgを記録しましたが、試合当日の計量ではなんと66.1kgに達するという驚異的な増量を見せました。この数字は彼が戦うスーパーバンタム級の上限を遥かに超えたもので、5階級上に相当するウェルター級のレベルです。
このような劇的な増量は、ドヘニーの過去の試合からも見て取れます。昨年行われた後楽園ホールでのラミド戦では、前日計量から12キロ以上の増量を果たし、見事にKO勝ちを収めています。ドヘニーは、この体重の戻し方が試合に与える影響を熟知しており、その戦略はかつてない成績を残してきました。
井上の自信と戦略
一方、井上はこのドヘニーの増量に対して、「自分を相手に10キロ以上戻したらボクシングできないぞというところを見せたい」と自信を持って語っています。彼は体重だけでなく、ボクシングのスピードやテクニックも重要であるとし、体重増加が必ずしも有利には働かないことを指摘しています。
もちろん、ボクシングでは体重が重要なファクターであることは間違いありません。しかし体重が増えることで動きが鈍くなる可能性もあるため、井上はこの点を利用できると考えているのです。
今後の展望と統一戦の意義
この試合は4団体を統一する重要な戦いであり、井上にとっては通算23勝の世界戦記録更新がかかっている試合です。井上はこの試合を迎えるにあたり、5月にルイス・ネリとの試合で6回TKO勝ちを収めた後での挑戦であり、彼自身のレベルを示す重要な機会としています。
また、ドヘニーはこれまで日本人選手と戦った際に3戦3勝の成績を収めており、日本人キラーとして知られています。井上との対戦は、彼にとっても大きな意味を持つ試合になるでしょう。
以下の表は、井上とドヘニーのボクシングキャリアのハイライトを比較したものです。
ドヘニーの過去の戦績とスタイル
ドヘニーはそのキャリアの中で多くの試合を経験し、特に南パウンドのスタイルを持っています。アイルランド出身でありながらオーストラリア在住の彼は、そのキャリアの大半を海外で積んできました。直近の試合では、井上とのリザーブとして待機していた経緯もあり、実力を試す絶好の機会に恵まれることとなりました。
ファンの期待と試合予測
この試合に向けて、多くのファンや専門家からは両者の戦略や勝敗に関する考察が行われています。井上のスピードを活かした的確なパンチ、対するドヘニーの力強いジョーと体重が絡む戦術、どちらが勝つのか予測することは困難ですが、その結果に対する期待は非常に高まっています。
試合は、スーパーバンタム級の新たな歴史を刻む瞬間となることでしょう。
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