凱旋門賞で敗れ 肩落とす調教師の悲願再挑戦

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海外競馬のG1第103回凱旋門賞(芝2400メートル)が現地6日にフランスのパリロンシャン競馬場で行われ、日本から唯一参戦した坂井瑠星騎乗のシンエンペラー(牡3・矢作、父シユーニ)は中団につけてレースを運んだが、直線伸びずに12着に敗れた。1969年のスピードシンボリの初挑戦から55年、日本のホースマンにとって悲願はまたもお預けとなった。勝ったのは英国馬ブルーストッキング。武豊騎乗のアルリファー(牡4・J・オブライエン、父ウートンバセット)は11着に終わった。

シンエンペラーのレース展開

シンエンペラーは、スタート直後は五分に出て、前半は5~6番手の外を進んでいた。しかし、フォルスストレートに差し掛かると徐々にポジションを下げ、最後の直線では伸びを見せることができなかった。競走馬たちがペースを上げる中、シンエンペラー及びアルリファーは大外を回ったが、いずれも期待に応える走りはできなかった。

レース結果の詳細

順位 馬名 騎手 所属
1 ブルーストッキング R・ライアン 英国
2 不明 不明 不明
3 不明 不明 不明
11 アルリファー 武豊 J・オブライエン
12 シンエンペラー 坂井瑠星 矢作芳人

騎手と調教師のコメント

レース後、坂井瑠星騎手は「残念です。やりたいレースができたと思います」と悔しさを隠しきれない様子で語った。馬場コンディションに関しては「そこまで苦にしてはいなかったが、結果的には体力を消耗してしまった」と述べ、ペースが上がった直線ではついていけなかったことが敗因に繋がったと続けた。

矢作芳人調教師も、レース後のインタビューで「残念以外の言葉はないです」と率直に気持ちを表明し、馬場状態については「想定通りの馬場だったため、言い訳はしません」と話し、チームの努力を称賛した。

日本競馬界の壁と夢

日本からの凱旋門賞挑戦は、1969年のスピードシンボリから始まった。それ以来、数々の名馬たちがこの国際舞台に挑んできたが、未だ優勝を果たした馬は存在しない。特にエルコンドルパサーやディープインパクトなどの名馬たちが接戦を演じてきたが、確固たる勝利を掴むことはできていない。

今年も残念な結果ではあったが、シンエンペラーはまだ27歳と若く、今後の活躍が期待される。過去に何度も挑戦してきた各世代の馬たちが築いた歴史を背負い、新たな伝説を作ることを望まれている。

欧州遠征の意義

矢作調教師は、「今回の欧州遠征は難しいこともあったが、いい経験で素晴らしいものだった」と語り、結果ではなく、経験が重要であると強調した。特に、調教スタッフの努力を称賛しつつ、「次回も挑戦したい」と意欲を燃やしている。

凱旋門賞

国内売上とファンの熱意

凱旋門賞の国内馬券売上は46億2335万9800円と前年を上回り、競馬ファンの熱い応援が感じられた。東京競馬場でのパブリックビューイングには約4600人が集まり、シンエンペラーと武豊騎手の活躍を見守った。結果には失望したが、競馬ファンからは温かい拍手が送られた。

年次 馬券売上 (億円) 変更率
2022 64.95
2023 46.23 +9.61%

再チャンレンジの可能性

今後の日本競馬に期待が寄せられている中で、シンエンペラーはまだ3歳。今年の経験を経て、さらなる成長が見込まれ、再び凱旋門賞に挑戦するチャンスが与えられるだろう。普通、3歳馬は成長の過程にあり、これからのレースにおけるパフォーマンスにも影響を与えていくことになる。

過去の挑戦者たち

  • スピードシンボリ: 初挑戦(1969年)
  • エルコンドルパサー: 2着(1999年)
  • ディープインパクト: 失格(2006年)
  • シンエンペラーの血統: 全兄 ソットサスによる優勝(2020年)

これらの競走馬たちの軌跡が、やがて日本馬の凱旋門賞制覇への道を切り開くことになるだろう。

日本競馬

今後の日本競馬界の挑戦と成長に期待が寄せられる中、シンエンペラー及び矢作調教師の無念を晴らす日が来ることを願って止まない。

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